【衝撃】満室なのに泊まれる?ヒルベルトの無限ホテルの謎

科学
亀吉
亀吉

うーん、うーん。
困ったな〜。

卯月
卯月

どうしたんだい。
お腹でも痛いのかい?

亀吉
亀吉

いや、旅行先のホテルが満室で、予約が取れないんです。

卯月
卯月

そりゃ、まいったね。
ホテルの客室が無限にあれば、満室でも何とかなるんだけどね。

亀吉
亀吉

ん?
無限に客室があっても、満室じゃ泊まれないでしょ。

卯月
卯月

それがそうとも限らないんだよね。

1. 「無限ホテル」ってどんなところ?

まずはホテルの基本ルールを整理しましょう。

  • 部屋の数は無限個:1号室、2号室、3号室……と、上に向かってどこまでも部屋が続いています 。
  • すでに「満室」:すべての部屋にすでにお客さんが泊まっています 。

普通のホテルなら、この時点で新規お断り。
ですが、このホテルの受付スタッフは超優秀!

さあ、奇妙な無限噺の開幕です!

2. 【レベル1】新しいお客様が「1人」やってきた!

最初の夜、満室のホテルに1人の旅人がやってきました。

「すいません、一晩だけでも泊めてもらえませんか?」

普通の受付スタッフなら「満室なので……」と断るところですが、ここの受付スタッフは館内放送を流します。

「お泊まり中のお客様にアナウンスいたします。大変恐れ入りますが、全員『いまの部屋番号 + 1』の部屋へお引っ越しをお願いします!」

これによって何が起きるかというと……

  • 1号室の人は2号室へ
  • 2号室の人は3号室へ
  • 3号室の人は4号室へ
    ・・・・・・・・
  • n号室の人は(n+1)号室へ……

全員が隣の部屋に一斉にスライドします。

普通のホテルなら「一番最後の部屋の人が追い出されちゃう!」となりますが、ここは無限ホテル。

最後の部屋なんて存在しません! だから全員が問題なく引っ越しでき、なぜか「1号室」がぽっかりと空室になります。

そこに新しい旅人を案内すれば、見事に宿泊成功!全員がハッピーです。

(※ちなみに、2人来たら「+2」、100人来たら「+100」の部屋に移動してもらえば解決します。)

3. 【レベル2】無限にお客様が乗った「バスが1台」やってきた!

次の夜、またもや満室。

そこへ、とんでもない団体客が現れました。なんと、「無限人のお客様が乗った不思議なバス」です!

「さすがにこれは無理でしょ!?」とパニックになりそうですが、優秀な受付スタッフはまたもやマイクを握ります。

「お泊まり中のお客様にアナウンスいたします。全員、自分の『部屋番号の2倍』の部屋へ大至急お引っ越しをお願いします!」

すると、こうなります。

  • 1号室の人は2号室へ
  • 2号室の人は4号室へ
  • 3号室の人は6号室へ
    ・・・・・・・・
  • n号室の人は2n号室へ……

全員が「偶数」の部屋に移動しました!

ということは、1, 3, 5, 7……という「奇数の部屋」が丸ごと空室になります。

奇数も無限にあるので、バスから降りてきた無限人のお客様を、1番さんは1号室、2番さんは3号室、3番さんは5号室……と順番に案内すれば、全員ぴったり泊めることができるのです!

既存客を全員偶数部屋に移動させることで、無限の空き部屋を作り出す。スマートすぎるおもてなしです!


4. 【レベル3】無限の客を乗せた「無限台のバス」がやってきた!?

3日目の夜。これまた満室のホテルに、究極の試練が訪れます。

「無限人のお客様を乗せたバス」が、なんと「無限台」やってきたのです!

「1号車の無限人」「2号車の無限人」「3号車の無限人」……。もう、ロビーはお客さんで埋め尽くされて大パニックです。

これには流石に受付スタッフもお手上げか!?

しかし、受付スタッフはニヤリと笑い、数学の秘密兵器「素数(そすう)」を使いました。

スタッフはこう指示します。

  1. いま泊まっているお客様は全員「5^(いまの部屋番号)」の部屋に移動してください!
  • (1号室の人は(5^1=)5号室、2号室の人は(5^2=)25号室、3号室の人は(5^3=)125号室へ……)
  1. バスのお客様は、以下のルールで部屋に入ってください!
  • 「A号車のB番さん」は、「(2^A ✖️ 3^B)号室」へどうぞ!

これ、何がすごいか分かりますか?

数学には「素因数分解の一意性(すべての数は、素数の掛け算で1通りにしか表せない)」という強力なルールがあります。

  • いまの宿泊客が移動した部屋(5の掛け算だけ)
  • 新しく来たお客様が入る部屋(2と3の掛け算だけ)

これらは絶対に数字が被りません!

また、1号車の1番さん(2^1 ✖️ 3^1 = 6号室)と、2号車の1番さん(2^2 ✖️ 3^1 = 12号室)のように、バス同士のお客様でも絶対に部屋が重複することはありません。

この「素数パワー」によって、無限×無限の想像を絶する団体様も、全員別々の部屋にスマートに案内できてしまうのです!

(※ちなみに、既存客を2^nに、バスのお客様を他の素数 3^n, 5^n, 7^n,・・・・ のべき乗に割り振る方法もあります。)

亀吉
亀吉

いやー無限って不思議ですね。

卯月
卯月

そうなんだよ。
無限がからむと、直感に反する不思議なことが起こることがあるんだよ。

亀吉
亀吉

あれ?
結局、私の泊まるホテルはどうすれば・・・?

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